腰掛Box stoolbox 2010.09    
 あられ組み板の切り出しはこちら     板矧ぎ冶具はこちら     
左が 現在の我が家の食卓です。
テーブルの高さは36mmで宴会用の座椅子を使って、毎日小宴会です。
先の話だが、座るのが辛くなると、イス式にする必要がある。ちなみにこのテーブルは脚部を高くすることができるようになっている。しかし、家族が増えているので、普通のイスを並べたのでは場所が狭くなる。常時は小物入れボックスとし、腰掛にもなるboxstoolが欲しいと言い出した。これは面倒です。腰掛としての強度を持ちながら家具としての細工が必要です。
あられ組みが最も良いが、加工が大変です。そこで、考えに考え抜き、素晴らしい方法をひねり出しました。

ともあれ、下の写真が完成の写真です。
4個のBoxを並べれば、ベンチ、あるい棚として利用できます。

1個あるいは2個を重ねれば、収納棚の感じになります。

立派なものです。
家内も ”フムフム”です。
    < 作り方です>              
材料は 得意の 1×4です。
自作の丸ノコ台を使って、板を80mmの幅に縦割りします。
このとき、ガイドを固定しておくので、板幅はかなりの精度で一定になっています。(そのつもりです)

左図は、底板です。
3枚を板矧ぎしてあります。真ん中の板は両端の板に対して、板厚分だけ短く切ってあります。

これが、うらさんの考えた”あられ加工”です。

このための、冶具は あとで説明します。
両側板を組みます。
両側板は中央の板が板厚分だけ長くなっています。

予定通り、ピッタリと嵌まり込みます。

じつは、この段階まで戦々恐々たるものでした。
胸の中では ”ヤッタ!” です。
上板を嵌めこみます。

これも ピッタリです。




組み合わせた 所のアップです。
実に ”見事” なものです。
若干のデコボコがありますが、これは 組んだあとでサンダーで仕上げます。

”うらさん式あられ組加工”が出来ました。
ポイントは、板の長さ、幅の定寸カットの精度に尽きます。ひとえに加工冶具次第です。

これについては あとで 紹介します。


腰掛としての 強度を確保するために、裏板も1×4材を嵌めこみました。
これは、全面に嵌めこむ状態ですが、結果として随分重くなってしまいました。

強度確保のためには、両側だけでも十分です。
随分と軽くなります。
今回は、箱前面の枠組みを凝って見ました。

留め型隠しあられ組み?とでもいうのでしょうか。
端面が、留め組みになっています。家具でよく見ますが特殊な加工冶具が必要なので、指をくわえていましたが、今回のうらさん式ではこれが簡単に出来ます。

加工は スライド丸ノコの刃を傾斜させました。
あらかじめ、材を定寸に切っておき、材の位置決め冶具を使って加工しました。

左が 組み立て状態です。まず、上下板を貼り付け、ついで 側板を合わせます。当然の事ながら、若干ですが寸法が余ってきます。そこで、スライド丸ノコで少しずつ切り落としながら 現物合せです。

結構、すっきりと出来ました。
加工時間も短くて済みます。


もっとも、留め組み の組み立ては大変です。

今回は、持っている、クランプを総動員して、なんとか組みました。

★宿題:組み立て冶具を考えること。
1台目が出来たので、量産です。

左が 3台分の側板を加工し終わったところです。
 < あられ組み板の切り出し >   



側板を加工しているところです。


まず、定寸切り冶具で あられ組みの長い方の板を切り出します。

定寸切り冶具は「小ウッドデッキ」で紹介しております。
「週末職人工房の白井さん」の方法をずーとつかわさせていただいております。


”うらさん式あられ加工”です。

定寸切り冶具の、左固定壁に1×4材2枚を置き、あられ組の短い方の板寸法とします。これで、必要枚数を切り出せば良いわけです。


必要枚数をすべて加工し終わるまで、絶対に冶具の固定を緩めてはいけません。
次に、丸ノコテーブルで、板の幅を切り揃えます。
固定冶具については「押入れ棚U」に記載してあります。丸ノコ刃との平行度、またテーブルに対する刃の直角度など、すべて再調整しました。

今回は、80mmの側板と、40mmの留め加工用板を切り出しました。
固定ガイド板をしっかりと固定し、すべての側板の縦割り加工を一気に行います。
あられ組みの精度が決まるのは、ひとえにこの加工にかかっています。
ゆっくりと慎重に作業を進めました。

ただひたすら”黙々”です。
結果は ” ◎” です。
組み立てたところです。

我ながら、”うっとり”するときです。

上に載っているのは、4台分の扉枠と扉板です。
扉枠Tです。

留め加工の扉枠としてみました。

留め加工の場合は、扉飾りの加工をすることが出来ます。
すっきりした形にしたかったので、大きく45度傾斜面を入れてみました。
扉枠2は 普通の観音枠です。
これもすっきりして、私は好きです。
扉枠の裏には、扉板を嵌めこむ溝を切り込んであります。

溝は、トリマーテーブルで、素材段階で切っておきました。 
扉板には、1×4材の 端部を割り揃えた時の、端材を活用してみました。

綺麗に並べてみると、一見して、短冊揃えのようでしょう! 

我ながら”ケチ” です。

上下を これまた、シナ合板の 端材で押えました。

合板は、ビスを打ち込んでも割れないので、こういう押さえ板には必須です。
表側から見たところです。

扉の完成です。
あられ組み用の板矧ぎ冶具
左が 今回作った”板矧ぎ冶具”です。

その拡大です。

2×4材の 端に ニッケルクロムメッキをした鉄角管をビス止めしてあります。2×4材の端よりも1mmほどはみ出すようにセットし、仮止めしておきます。

両端部はM8のネジで 締め上げるようにしてあります。
鉄角管の真直性を調整しているところです。

定寸切りした板を 両端と中央部に配置して、両端のネジを締めていきます。

角管がまっすぐであるならば、4枚の板の締まり方は、ほぼ同じになる筈です。
案の定、僅かですが曲がっています。2×4材の端部に板をはり、1mmほど張り出してある角管を、僅か中央方向へ押し戻します。このようにして、両方の角管の真直を出し、ビスで本締めをしました。

左は、 凹部板、凸部板、凹部板と並べ、凹部板には、1×4材の端材を、スペーサとしてはめ込んであります。

この状態で、両端のネジを締め、かつ、上下を2×4材で挟み込みました。

これで、板の目違いも随分と少なくなりました。
左が、板矧ぎ作業の全貌です。
クランプの総動員です。 木工ボンドは約30分で固まります。

ちなみに、木工ボンドの塗り方は
チューブから少量を板の端面に塗り、指で均一に慣らすようにして塗りこみました。片側だけです。
端部からはみ出たボンドはやはり手の指で拭い取りました。 結果として、すっきりとした 板接着矧ぎが出来ました。 これまでは、「十分な量を端面に塗っておき、板を圧着したときにはみ出るボンドを固く絞った濡れ雑巾で拭い取る」方法でやっていましたが、これだと、ボンドが木管に沁みこんでしまい、塗料が上手く乗らない結果になっていました。
今回は、これが無くなりました。 大成功です!
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